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埼玉県立与野高等学校 石井 登志夫先生

等速円運動の加速度の測定

方法
回転台に、センサカート(加速度センサ使用)をのせて等速円運動を測定する。

使用する製品
・E31-8200-02 センサカート(黄) GDX-CART-Y
・回転台(レコードプレーヤー)

コメント
直線運動の加速度ならいくらでも測り方があるだろうが、円運動の向心加速度となるとかつては簡単ではなかった。ワイヤレスの三軸加速度センサが身近になり、状況は一変した。しばらく前からスマホ内蔵のセンサとログを取るアプリに頼ってきたが、センサ内蔵の実験用カートの出現により、直線運動から円運動や単振動までの広範な運動で、シームレスに運動の測定ができるようになったことは歓迎したい。
 勤務校の電動回転台はガタが来ていて最早見た目にも等速とは言えないので、中古ショップでレコードプレーヤーを求めた。センサカートを載せて回転し、円の中心方向にのみ加速度が生じていることを見せるためである。ちなみに生徒は、等速円運動している物体が受けている力として、円の半径方向の外側(いわゆる遠心力)や進行方向(接線方向)に予想することが多い。力が相互作用であることから、他のどの物体から力を受けているのかを考えさせることと並んで、どちら向きに加速度が生じているのかを測ってみせるのは重要である。そこで回転台上で、加速度センサのひとつの軸を半径方向、別の軸を接線方向に置いて測定を行うのである。上の写真はカートを回転台上に置いた様子、結果のグラフは2軸の測定結果を示す。測定を開始した後に回転をスタートしているので、途中から円の中心方向への加速度(結果のグラフの下)が増加し、その後は一定の加速度を保っている。接線方向の加速度(結果のグラフの上)は動き初めに少し変化しているが、あとはほぼ0を保っているのがわかる。
ちなみにセンサカートの内部で加速度センサの位置は中央ではない。3軸の絵が印刷されている場所よりもなお端の方にあるらしく、接線方向の加速度が0になる場所を探して、多少の試行錯誤が必要であった。また、センサカートは回転台の大きさに対して少々窮屈であり、置き方にも工夫が要る。すこし予備実験すれば解決する問題であるが、単体のワイヤレス加速度センサを用意できるなら、その方が手間が少なく失敗もない。小型なので半径方向の位置を変えて、加速度の違いを比較することもできた。

結果