写真:伊知地 国夫
2026年1~2月 シャボン玉

シャボン玉が物に当たって割れるとき、どのように割れていくのでしょうか。その瞬間を見るために、指先で突っついて割れていく様子を撮影しました。シャボン玉の膜は表面張力で常に縮まろうとしていて、左の写真のようにシャボン玉の形のまま割れていきます。①指先が触れた瞬間、膜に円形の穴があき、②あいた穴は球の形にそって広がり、③半球状になります。④やがてさらに縮みながらシャボン液がまとまって落ち始めます。各写真の間隔は1/120 秒。
2026年3~4月 淡水プランクトン

池などでいる淡水プランクトン。顕微鏡の観察方法を工夫すると体のつくりがよりわかりやすくなります。左上から右に、○ツヅミモ(植物性)ラインベルグ照明。○ミカヅキモ(植物性)透過光。写真のように棒状のものもあります。○イカダモ(植物性)透過光。左下から右に、○ミドリゾウリムシ(動物性)位相差顕微鏡。クロレラが共生しています。○ケイソウ(植物性)透過光。○アオミドロ(植物性)暗視野照明。
2026年5~6月 ジョウロの水流

ジョウロから流れ出る水流をみていると、水がつながっているようにみえます( 写真左)。でも、本当はどうなのでしょうか。水流の瞬間的な姿を写してみると、たくさんの水滴が写っていました。ジョウロの先を出た水は、すぐに表面張力で水滴に分かれてしまいます。散水ノズルで少し上向きに水をまいていると、太陽の光が水流に当たったときに、虹が見えるときがあります。水流が小さな水滴になっているためです。
2026年7~8月 ニホンカナヘビ

35℃を超えた残暑のとても暑い日、玄関を出たところにあるアジサイの葉の上で、体長20cm ほどのニホンカナヘビがじっとしていました。全国に分布する日本固有種です。家の中に戻り、カメラを持って出てレンズを向けてもじっとしています。高温で動きにくいのでしょうか。目の右下の黒い部分は耳で、周りの音を敏感に感じ取ります。似た仲間にニホントカゲがいますが、全体に金属光沢があり見分けやすい種類です。
2026年9~10月 せっけん膜の干渉色模様

小さな穴に張ったせっけん膜を顕微鏡で撮影しました。せっけん液は無色ですが、膜になると鮮やかな色彩が現れます。膜の表と裏で反射した光が干渉して色が生まれるためです。色は膜の厚みや見る角度などで変化します。黒い部分は膜がとても薄い部分で、円板状の部分は膜が黒い部分より厚く、それぞれが独立して漂うように動いています。顕微鏡で観察していることを忘れるような不思議な光景です。
2026年11~12月 光の三原色の混合

「光の三原色」の赤(R)、緑(G)、青(B)の発光ダイオードを、円形の厚紙の縁に等間隔(120度)で取り付け、コイン電池で点灯しました。その光を厚紙に開けた円い穴を通して、平らな面に当てました。穴を通ったそれぞれの光は、円い形となってずれて重なり、ちょうど3つのR、G、Bの光が重なったところが白くなり、2 つの色が重なったところに赤紫、水色、黄色の「色の三原色」が生まれました。
