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2023年 自然科学写真シリーズ

写真:伊知地 国夫

2023年1~2月 ミルククラウン

ミルククラウンはスマートホンのスローモーション機能を使うと、簡単に撮影できる。挑戦してみてください。黒い下敷きの上に指先で薄っすらとミルクをのばす。スマートホンのカメラのスローモーション撮影設定を秒120コマ(120fps)に。LEDライトの光を当て、カメラを向ける。ミルクの部分をタップし、明るさを下げて白く飛ばないようにする。スローモーション撮影を開始し、スポイトでミルクを2 ~ 3回たらす。再生しクラウンになっているところを探し、スクリーンショットをとる。
※機種によってはスローモーション機能が設定できないものがあります。

2023年3~4月 せっけん膜の干渉色模様

4mm四方ほどの小さな穴にせっけん膜を張り、顕微鏡の対物レンズ越しに照明の光をあてて撮影した。せっけん膜の表と裏で反射した光が干渉し、鮮やかな色彩が現れる。色の変化はよく見ると連続的に変わっているのではなく、階段状になっている。せっけん分子が層状に積み重なるため、膜の厚みが不連続になるためだ。割れるまでのわずかな時間だけ見ることができる不思議な光景だ。

2023年5~6月 ヘクソカズラ

なんともかわいそうな名前がついた植物だが、葉などを強くもんだりしなければ、それほどのにおいは無いと思う。アカネ科のつる性の多年草で、夏になると垣根の植物の上など、いたるところで繁茂する。カズラはつる植物につく呼び名。棒状のつぼみの先が開いて花が咲く。サオトメバナ、ヤイトバナなどとよばれることもある。花が落ちた後に緑色の実ができる。熟すと薄茶色や褐色になり、小さなジュズダマのようだ。

2023年7~8月 身近な光のスペクトル

電球、LED、蛍光灯、ろうそくなど身の回りには光をだすものがいろいろとある。光に含まれる色(スペクトル)は、プリズムや回折格子という素子を使うと調べることができる。写真は、プラスチックのシートでできている簡易的な回折格子で、豆電球(左上)、白色LED(右上)、ろうそくの炎(左下)、白熱電球(右下)のスペクトルを撮影した。シートを片目に当てて、いろいろな光を見てみるととても面白い。

2023年9~10月 軟式のテニスボールをラケットで打つ

軟式のテニスボールをラケットで打った瞬間を撮影した。打った瞬間、餅のように平たくなってしまうことがわかる。ラケットのグリップのところにマイクをつけ、打った時の音でストロボが発光する電子回路を使った。音を検知した瞬間からストロボが発光するまでの時間を遅延回路で制御し、撮影のタイミングを合わせる。

2023年11~12月 セロハンテープと偏光板のステンドグラス

偏光板の上にセロハンテープを重ねて貼り、もう一枚の偏光板を通して見ると、鮮やかな色彩が生まれる。セロハンテープが複屈折性という光学的な性質を持つためだ。テープの重なり方や偏光板の角度で色彩が変化する。テープを貼る偏光板は面積が必要だが、もう一枚の偏光板はカメラのレンズが隠れる大きさがあればよい。窓の枠のように黒い紙を切って重ねると、ステンドグラスのようになる。塩化ビニルのシートやガラス板にテープを貼り、その下に何も貼っていない偏光板を置くと、角度を変えたり、テープの貼り替えも手軽にできる。