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2013年 自然科学写真シリーズ

写真:伊知地 国夫

2013年1~2月 金環日食

昨年の5月21日は、金環日食を日本の各地で見ることができた。金環帯が九州から関東を通り、日食観察の好機となった。東京で撮影を予定していたが、予報が曇りだったため前日に福島に移動し、幸い全過程を撮影することができた。皆既日食の時のようなコロナは見えないが、リング状になる前後での先のとがった形は、皆既日食では見ることのできない美しさだ。 撮影日:2012年5月21日 撮影地:福島県いわき市 市内 撮影時刻 写真上:左下7時25分3秒 右上7時40分56秒      写真下:左端6時18分4秒 右端9時10分3秒 1カットずつの撮影画像をパソコン内で配置

2013年3~4月 石けん膜の干渉色模様

黒いプラスチックシートに直径3mmほどの穴をあけ、そこに石けん膜を張り顕微鏡で撮影した。色はせっけん水の薄膜による光の干渉で生じたものだ。写真下の黒い部分は、穴のふちの凹凸。石けん膜はニュートンやペランなど著名な科学者が研究の対象にしている。身近にあって奥が深く、薄膜の観察対象としても優れた素材だ。(倍率:約250倍)

2013年5~6月 ハードディスク

ハードディスクは、画像や文書などのデジタルデータを記録する装置として、広く普及している。高速回転する円盤表面の磁性体層に、磁気ヘッド(写真右の先端)が非接触でデータを記録する。このハードディスクでは円盤は上下に2枚あり、それぞれの表と裏で合計4面に記録することができる。円盤の表面は鏡のように滑らかで、窓際に置くと外の木々の緑が映った。

2013年7~8月 シャワーノズルから垂れる水

シャワーノズルから勢いよく出る水流を撮影後、シャワーを止めるため水流を弱めた。水が止まる前の様子が気になって撮影すると、そこには水がつくる不思議な光景があった。大きな水滴が落下した後、その水滴を支えていた水の先が一瞬つららの先のように細くなる。そして、表面張力で数珠のようにくびれ、小さな水滴にわかれて落下していく。身近な水の流れをストロボで撮ると、まだ誰も見たこともない瞬間が見つかるかも知れない。

2013年9~10月 ギンリョウソウ

森の林床に生育する多年草。葉緑素がないため光合成をせず、栄養は菌根から取り入れる。山道を外れた薄暗い場所で見つけることが多く、花の白さが印象的だ。背丈は10cmほどと低く、小型の三脚でカメラを低く固定し、スローシャッターで撮影した。一見キノコと同類のような感じがするが、花弁や鱗片状の葉、おしべ、めしべを持ち、受粉により実と種をつくる不思議な植物だ。

2013年11~12月 モアレ

規則正しく小さな丸い穴があいている2枚の金属板を重ね、お互いの角度を少しずつずらして撮影した。規則正しい模様をずらして重ねると、同じような重なり方が繰り返し現れて、もとの模様にはない周期的な模様(モアレ)が生まれる。レースのカーテンの重なりや、デジタルカメラでテレビを写したときなど、身近なところでできるモアレをさがすのも面白い。