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2011年 自然科学写真シリーズ

写真:伊知地 国夫

2011年1~2月 赤インクの結晶模様

赤インクをスライドガラスに薄く塗り乾燥させる。水分が蒸発するに従い、インクの成分が粒状に結晶化する。場所によって結晶化の進み方に差があるため、作るたびに異なった模様が現れる。写真は模様を顕微鏡で拡大撮影した。結晶化の速さを変えると結晶の大きさも変化し、同じ成分でも全く異なった模様が現れる。

2011年3~4月 ミルクのシャンデリア

ミルクを1滴水にたらし、液滴が水中を下降するときのようすを撮影した。液滴は水面から白いすじを引きながら下降し、少し下がった頃、四方に分かれ始める。分かれた先がしばらく下降すると、はじめにの液滴と同じことが起こり、次第に広がりながら下降を続ける。写真はシャンデリアのように広がった瞬間を撮影した。

2011年5~6月 ドクダミの花

ドクダミ科の多年草で独特のにおいがし、地上部は生薬として(十薬と呼ばれる)利用される。白い花びらのように見えるのは総包片で、中央にはめしべとおしべのみの花が多数集まっている。拡大すると(写真上)、先が分かれた白い柱頭と根元の緑色の子房、その周りには黄色いおしべの葯がよく見え、別の花のようだ。

2011年7~8月 北の空の星の日周運動

カメラを北の空に向け、約1時間シャッターを開けたままにして撮影した。地球が西から東に自転しているため星が円を描くように写る。回転のほぼ中心にある明るい星(2等星)が北極星だ。地軸の延長方向の近くにあった星を北極星としたので、回転の中心からわずかに外れている。線の色がさまざまなのは星の表面温度の違いによる。

2011年9~10月 揺れるライトの軌跡

懐中電灯を糸で吊るし、その真下にカメラを置く。周りを暗くしてから懐中電灯を円を描くようにして揺らし、カメラのシャッターを開けたままにしておくと、光の動きの軌跡が撮影できる。糸のねじれや空気の抵抗で、揺れの方向と幅が次第に変化し、まるでコンピューターグラフィクスで描いたような図形が生まれる。線の色は緑と赤のフィルターによるもの。

2011年11~12月 葉痕

冬が近づき落葉樹が葉を落とすと葉が落ちた痕(葉痕)が枝に残る。葉痕には葉の葉脈とつながっていた痕があり、この痕と葉痕の近くにある冬芽の形が全体として人の顔などに見えるものが多い。写真は、左からサンショウ、アジサイ、カキの葉痕を撮影した。冬の林や公園などで、いろいろ表情をした葉痕を見つけるのも楽しい。