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2009年 自然科学写真シリーズ

写真:伊知地 国夫

2009年1~2月 水面の薄氷

断熱性の容器に水を入れ、フタをせずに冷凍庫に入れる。水面に薄氷が張った頃取り出し、透過軸を直交させた2枚の偏光板の間に入れると、鮮やかな干渉色が見える。この色は、複屈折性を持つ氷の結晶によって生じたものだ。南極の氷床コアの薄片の結晶状態を同様の原理で偏光板を使って観察し、過去の気象変動の様子を調べる研究も行われている。

2009年3~4月 ガスバーナーの炎

ガスバーナーに空気を入れずに点火すると、黄色い炎がめらめらと立ち上る。その様子を秒60コマの高速連写カメラで撮影した。バーナーの口から出たガスは、燃焼して軽くなって上昇するが、上昇の速さが炎の場所によって異なり、渦の発生や滞留、分離がおこり炎の形が複雑に変化していることがわかる。左側に見える火の玉状の炎は、分離して残った炎だ。

2009年5~6月 デジタルカメラの撮像素子(CCD)とヒラタアブの複眼

デジタルカメラの撮像素子(CCD)は、レンズでCCD上にできた像の光の強さを、R(赤)G(緑)B(青)の各画素に分けて検出し、データを統合化して1つの画像を作成する。一方、昆虫は複眼を構成する個眼で得た情報を統合化し、周りの風景を認識している。最先端の撮像素子と昆虫の眼に、似たような仕組みがあることに驚かされる。

2009年7~8月 カラスウリの花(雄花)

カラスウリはつる性で木に巻きついて葉を広げ、夜に白い花を開花させる。雌雄異株で別々の株に雄花と雌花をつける。夜行性のスズメガなどが花粉を運び、秋に赤い実をつけ、根はイモ状となり越冬する。似た花をつけ黄色い実がなる種類に、キカラスウリがある。

2009年9~10月 石けん膜の干渉色

石けん膜を小さな穴に張り、顕微鏡で撮影した。背景の黒い部分は、膜がとても薄く「シャボン玉の黒い膜」として知られ、その中に表面張力で円形になった石けん膜がただよう。色は薄膜による光の干渉で生じたものだ。石けん膜は身近であっても、ニュートンなど多くの著名な科学者が研究の対象にした、科学的に奥の深い材料だ。

2009年11~12月 電球のスペクトル

物の温度を上げて発光させる原理を利用した白熱電球は、フィラメントに電流を流して温度を上げて発光させる。低温時(写真左)では赤みをおびているが、温度が上がるにつれて青色の成分も増えて(写真右)、黄色~白色を帯びる。エジソンが実用化し、長い間使われてきた白熱電球も、効率の良い蛍光灯などへの移行のため、日本でも生産が中止になる予定だ。