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自然科学写真シリーズ

写真:伊知地 国夫

 

2018年1~2月 ライターの火花(フリント式)


2018年1~2月 ライターの火花(フリント式)

最近のライターは電子式が多いけれど、フリント式ライターは発火石をこすって火花を出してガスに火をつける。小さな火花だが、拡大して撮影すると予想外の火花の形が写っていた。発火石には燃焼性の金属が含まれていて、摩擦熱で発火した高温の小さな粒が勢いよく飛び出す。燃焼中の粒は、ねじれたり、途中で激しく燃えて四方に火花を出したりとさまざまだ。シャッタースピードは2秒で、その間に起こる発火から消えるまでの様子が、1枚の写真の中に記録されている。

 

2018年3~4月 ミドリムシ


2018年3~4月 ミドリムシ

ミドリムシは緑色で葉緑体を持ち、鞭毛で動くことができる。植物と動物の性質を合わせ持ったプランクトンだ。顕微鏡の撮影では照明光を下からあてるので、まばらに泳いでいたミドリムシが次第に集まってくる。写真は視野の中に密集してきたところを撮影した。赤いところは眼点と呼ばれ、ここの近くに光を感じる細胞があり、光の方向を感知する。自分で光を探して移動し、光合成をする不思議な生き物だ。

 

2018年5~6月 葉脈


2018年5~6月 葉脈

ヒイラギモクセイの小枝を赤い水に入れて、水の通り道の道管を赤く染めてから葉脈標本をつくり、その後で青い染色液に入れると、葉脈の中の道管は赤茶色になり師管は青色に染まる。葉脈標本にするには、葉を柔らかくした後で歯ブラシなどでたたいて葉肉を落とすが、その時に道管と師管がずれることがある。写真(網状脈)の葉脈の中で、2重に見えているのがその部分だ。葉脈は葉の骨格の役割をもち、同時にすみずみまで水分などを行きわたらせる役目も持つ、葉の大切なつくりだ。

 

2018年7~8月 ホシズナ


2018年7~8月 ホシズナ

ホシズナは2mmほどの有孔虫の殻だ。視野の中には「太陽の砂」と呼ばれる丸い形のものも混ざっている。この写真は実体顕微鏡の接眼レンズにコンパクトデジカメのレンズを近づけて撮影した。この方法は「コリメート法」とよばれ、手軽に拡大撮影ができる方法だ。照明は小型のLEDライトを使い、斜め上からホシズナに光を当てた。小型の三脚にコンパクトデジカメをつけるとブレも軽減できる。

 

2018年9~10月 コーヒーの水面に乗る大きな水滴


2018年9~10月 コーヒーの水面に乗る大きな水滴

水面に小さな水滴が乗ることがある。ころころと水面を転がり、とても面白い。水滴はやがて水面に吸い込まれるが、このときに水滴の一部が残って再び水面に乗り、何度か繰り返して小さな水滴になっていく。普通の水では、あまり大きな水滴は乗らないが、コーヒーをドリップして作る時に、写真のような大きな液滴が乗ることがある。コーヒーにすると大きな液滴が乗るのはなぜだろうか。

 

2018年11~12月 ビタミンCの結晶


2018年11~12月 ビタミンCの結晶

ビタミンCの白色の粉末結晶を水にとかし、スライドガラスの上にのばして乾燥させると、再び結晶があらわれる。写真はその結晶を偏光顕微鏡で撮影した。もともと無色の結晶だけれど、2枚の偏光板の間に入れると、結晶の持つ複屈折性という性質の量と厚みの差が色の違いとなってあらわれる。スライドガラスの表面状態や結晶化の速さが結晶の成長に大きな影響を与え、スライドガラスを何枚か並べて、同じ溶液をのばして結晶化させても、同じ結晶模様にはならない。そこが結晶の偏光顕微鏡写真を撮る面白さでもある。

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