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日本の蝶シリーズ

ほとんどの蝶たちは、その幼生期間(卵や幼虫の時期)のときには、その種類によって決まっている草や樹の新芽・新葉・成葉を食べています。しかし例外的に、ごく少数肉食性の蝶もいます。また、成虫(蝶)のときも種類によって好みの花があったり樹液の方が好きだったりと様々です。

 

2004年1~2月 ミヤマカラスアゲハ+カラスアゲハ


2004年1~2月 ミヤマカラスアゲハ+カラスアゲハ

卵の中で越冬した幼虫は“光の春”が始まる1月下旬~2月初めの節分の頃に孵化します。
暑い時期に林道を歩いていると蝶たちが水を飲む姿にときどき出会うことがあります。普通は同じ種類のオスによってその集団は形成されますが、ときには祖先が近い種類の蝶も一緒になることがあります。なぜオスが吸水するかについては、体を冷やすために必要だとか、ナトリウム塩の保持のため補うためだろうといわれています。
□キハダ
ミヤマカラスアゲハが飛んでいれば、付近にキハダの木があるといわれるほど、分布が重なっています。カラスアゲハやミヤマカラスアゲハはキハダを好んで産卵し、幼虫はキハダの葉を食べて成虫になります。キハダの裏面がやや白い奇数羽状複葉を日に透かしてみるとミカン科の特徴の油点が見えます。樹皮はコルク層が発達して、内皮は黄色くベルベリンを含んでいますので、胃腸薬や染料に使われてきました。

 

2004年3~4月 ギフチョウ


2004年3~4月 ギフチョウ

日本には春夏秋冬という四季がありますが、その春の訪れを知らせるのがギフチョウです。
大体ソメイヨシノ桜の開花と一致して蝶は出現します。ときに入学式や新学期と重なる頃にその姿を見ることが出来ます。低山地の林はいっせいに芽吹き始め、その林下はカタクリ、スミレが咲き乱れ、桜とともに吸蜜によく訪れるのです。
□タマノカンアオイ
ギフチョウはカンアオイの仲間に産卵します。ウマノスズクサ科のカンアオイ属には多くの種類がありますが、関東の多摩川付近の丘陵に特産するのでこの名があります。林の中の薄暗い中につやのある肉厚の葉を広げ、春には根元から花柄をのばして花弁のない黒紫色の花をつける多年草です。フタバアオイの葉は徳川家の家紋三つ葉葵のデザインのもとになっています。

 

2004年5~6月 アオスジアゲハ


2004年5~6月 アオスジアゲハ

本来は温暖な地方や海岸付近の林に多いアオスジアゲハはクスノキの植栽によって都会地にも普通に見られる蝶のひとつです。公害に強い木として街路樹にもなり、また、公園樹としても好まれ、成長も早いクスノキの新芽・新葉には多数の卵・幼虫をその気になれば簡単に発見することができます。
□ クスノキ
自然林は九州にあるといわれ、暖かい地方の樹です。関東辺りが北限とも言われいます。神社仏閣には天然記念物に指定される大樹が多く残っています。アオスジアゲハはクスノキのほかはタブノキにも産卵します。葉や枝をちぎると芳しい香りがし、ショウノウやカンフル剤の原料になります。葉は三本の葉脈が目立ち、小枝は黄緑色です。材は彫刻しやすく、虫にも強いので仏像などが作られてきました。

 

2004年7~8月 オオムラサキ


2004年7~8月 オオムラサキ

日本の国花は桜ですが、1957年日本昆虫学会はオオムラサキを国蝶として選び、その前年には切手にもなりました。かつてはコナラ・クヌギを中心とする雑木林は日本のどこにでもあった自然ですが、その森や林の中にいる昆虫を代表するのが、オオムラサキであり、クワガタムシ、カブトムシ、スズメバチたちでした。
□エノキ
関東ではケヤキとともに屋敷林として植えられてきました。また、江戸時代には一里塚に植えられ当時の樹は静岡県に残っているといわれます。エノキに産卵し幼虫が葉を食べるのはオオムラサキのほかゴマダラチョウ、テングチョウやヒヨドシチョウがいます。樹皮には「象の足」といわれる横筋が見られます。葉は優しく先端に近い部分に鋸歯があり、ムクノキの葉も似ていますが、鋭い鋸歯や堅い毛はありません。

 

2004年9~10月 アサギマダラ


2004年9~10月 アサギマダラ

夏の終わりから初秋の頃、山地の草原に咲き乱れるキク科のヒヨドリバナの群落地にアサギマダラの大群を見かけることがあります。この集まってくる場所は毎年大体決まっていて、ここに集結し、1~2週間後により温暖な地方に散らばって行きます。大きく移動する代表的な日本の蝶のひとつです。
□キジョラン
アサギマダラはキジョランに産卵します。時折、穴の開いた葉を見かけますが、アサギマダラの幼虫の食べた跡です。関東以西の樹下に生える常緑つる性のガガイモ科の多年草です。下の方は木質で上の方は革質になっています。夏には葉のわきから白い花が咲き、秋には10センチ以上になる実ができます。実がはじけると中から綿毛(冠毛)をもった種子が沢山出てきます。この冠毛が「鬼女の髪を振り乱した姿」を想像して名がついたといわれています。

 

2004年11~12月 ツマベニチョウ


2004年11~12月 ツマベニチョウ

ツマベニチョウは鹿児島県南部から沖縄にかけて分布する亜熱帯を代表する世界最大のシロチョウ科です。真っ青な空、青い海、白い砂浜に空に向かって咲く真紅のハイビスカスによく吸密にきます。その飛び方は大きく非常に速く、吸密速度もほとんど瞬間で次の花へと移動します。
□ギョボク
九州の一部と奄美・沖縄などに自生するフウチョウソウ科の樹木です。ツマベニチョウはギョボクに産卵し、葉を食べて成虫になります。多摩動物園ではギョボクを温室で栽培していますが、東京でも路地で育ちます。一枚の葉が三枚に切れて三出複葉になっています。材が軽くイカ釣りの疑似餌(ルアー)に使われたことから魚木と言われています。

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